「副業を始めたいけど、そんな時間どこにあるんだろう……」

そう思いながら、もう何ヶ月も、何も始められていないままではありませんか。

私も全く同じでした。平日は朝9時から夜6時まで、毎日出社している普通の会社員です。

それでも、毎日最低3〜4時間の副業の稼働時間を作っていました。睡眠時間は削っていません。

今回は、その時間をどこから引っ張ってきたのかという、私のリアルな体験談をお話しします。「早起きしましょう」みたいな綺麗事ではなく、実際にやっていた泥臭い中身をそのまま書きます。

「副業する時間がない」と思っていた頃の私

2021年、年収480万円と住宅ローン12万円

私が副業を始めようと思った理由は二つあって、どちらも恐怖の感情から来たものでした。

一つは、金銭的なプレッシャーという恐怖。ちょうど子供が生まれ、住宅ローンが始まったタイミングでした。

当時の年収は480万円。大学院卒なのに給与がそもそも低いことに加えて、コロナによる給与カットもありました。住宅ローンは毎月約12万円で、当時の年収水準からするとかなり負担感の大きい金額です。

もう一つは、決まったレールの上しか進めないという恐怖です。このまま会社にいると、若いうちは給与の上がり幅もゆっくりだし、スキルの幅も会社の業務で必要なものに限られてしまう。

「若いから年収が低いもの」「コロナだから年収は下がるもの」と、じっとしているのが怖かったんです。

「時間がない」の正体は、密度の薄い時間だった

副業を始めると決めてから気づいたのは、私に足りなかったのは時間そのものではなかった、ということでした。

一日の中にある「密度の薄い、生産性の低い時間」を、稼働の時間に移動させていなかっただけです。

分かりやすいのが、夜に寝る前スマホをいじっている時間です。あれは非常にもったいないし、何も生み出しません。

そこをすぱっと切り捨てる。それだけで、時間は出てきました。

「無駄に浪費していた時間を、朝に持ってくる」という感覚が一番近いと思います。

初案件は1ヶ月かけて3万円。時給換算すると笑えない数字でした

先に、格好悪い話もしておきます。

私はデイトラというスクールに10万円を払って学習を始めました。当時の状況だとかなり大きな出費です。

受講を始めて3週間ほどで、クラウドワークスの「初心者歓迎」の案件を偶然見つけて受注しました。むしろ初心者だから安くやってほしいという依頼だったので、利害が一致した形です。

報酬は3万円。着手から納品までは1ヶ月ぐらいかかりました。

時給換算してしまうと、本当に低い数字です。

それでも、自分の力で受け取った報酬は、会社の給与の何倍もうれしかったことを覚えています。そして何より、勉強だけを続けているより、実際に手を動かしてどこに課題があるかを実感して学べたことが大きかったです。

「時間がない」の前に、そもそも会社の規定に時間の上限がありました

もう一つ、会社員だからこそ先に確認したことがあります。会社の副業規定です。

私の会社は、定められた範囲内であれば公式に副業を認めるという制度でした。そして規定には「労働時間が所定の範囲内になるように」と書かれていました。

その範囲は月40時間以内。会社の残業の範囲内と同じ基準です。

ただしこれは、他の会社に雇用される場合に適用される上限でした。フリーランス・個人事業主の形で働く場合については曖昧な書かれ方だったので、私は「本業に支障が出ない範囲」ということだと受け止めて進めました。

会社への届け出は「名前と同意のチェック」だけでした

正直なところ、厳密な確認や馬鹿正直な申告をしても無駄だと感じていました。

副業解禁が世の流れとして当たり前になったのは最近のことで、会社の副業に関する制度もまだまだ発展途上のところが多かったからです。細かく確認しすぎて、上司やその他の関係者を困らせるだけだとも思いました。

なので、一通り書かれていることを把握した上で、さくっと申告を出しました。

その申告書自体は非常にシンプルで、名前と同意のチェックマークを入れるぐらい。「制度を読んで同意しました」「いつから始めます」ほどの情報量しかなく、詳細な情報は不要でした。

時間について具体的に書く欄すら、ありませんでした。

出したあとに会社から来たのは、年に一回の形式的なアンケートだけです。「まだ副業は継続しているか」「制度内容を改めて読んだか」「労働時間が長時間化して疲れていないか」といった問いに、チェックを入れるだけ。

制度としては、単なる会社への届け出という非常に簡単なものでした。周りの反応も特に変化はなく、興味がある人からいろいろ質問をされるくらいです。

「副業する時間がない」を突破した具体策

夜10時半に寝て、朝5時半に起きる。これだけです

私がやったことは、驚くほど単純です。

「夜10時半までには寝て、朝5時半までには起きる」。本当にこれだけ。

これで7時間以上は睡眠を確保できます。7時間も寝れば、わりと十分寝た方だと思っています。

このスタイルを確立したのが、2021年から2022年ぐらいでした。

繰り返しますが、睡眠を削ってはいません。削ったのは、寝る前のスマホ時間です。

3時間の内訳を全部公開します

実際に毎日どこで稼働していたのか、内訳はこうです。

時間 やっていたこと
朝5時半〜家を出るまで 1時間 頭が冴え切った状態で副業
通勤の往復(電車・バス) 1時間 膝の上にPCを広げて作業
昼休み 30分 10分ほどで昼ご飯を食べ、残りを稼働に当てる

通勤時間を作業時間にするために、会社の行き帰りは「必ず座れる時間と場所」を把握していました。ここは地味ですが、かなり効きます。

これをやるだけで、3時間くらいは簡単に作ることができます。

「時間がない」と嘆くのではなく、時間は作りにいくもの。この考え方が一番大事だと思っています。あと、無駄な残業もしないことです。

隙間時間は「頭の中だけの作業」に使う

さらに時間を積み増したいなら、会社で働いている間の隙間です。

会社にいる時間の中にも「何も仕事していない時間」があるはずです。トイレに行っている間、エレベーターに乗っている間、廊下を歩いている間、食堂に行く間。隙間はいくらでもあります。

そこで、頭の中で考えるだけで完結する作業をやってしまう。これで普段の動きの中から、追加で数時間は捻出できます。

私が頭の中でやっていたのは、こういう作業です。

  • クライアントへの提案内容
  • 予算に合わせた見積もりの構成
  • チャットの返信内容
  • 次の受注のための営業スケジュール
  • 難しい機能の実装方法やコードの書き方
  • 営業テンプレ文章の改訂案

PCの前に座った瞬間に手が動く状態を作っておく、というイメージです。

時間がなくてもできる副業は? 私の答えは「チャットだけで回る仕事」

「時間がなくてもできる副業は何ですか」とよく聞かれます。

私の答えは、作業が短時間で済む副業ではなく、「チャットのやり取りだけで完結する副業」です。

私がやっていたのはShopifyでのECサイト構築でした。単価は30万円から、一番高いもので100万円。対応期間は短くても1ヶ月、長いと6ヶ月にわたります。

会社員にとってこれが良かったのは、クライアント側もECを作ることは本業ではなく、あくまで手段だという点です。相手も本業が忙しいので、常にビデオ会議というわけにもいかない。

だからやり取りは細かいチャットが中心になります。文面でのやり取りなのでミスコミュニケーションも起こりにくく、後から見返すこともできます。

会社員だとタイムリーな返信ができないという大きな課題がありますが、早朝から稼働して、昼休みがあって、帰りの通勤時間にも稼働していたので、遅くとも4時間以内には返信できていました。それで不満を言われたことはありません。

早朝から稼働すると、チャットのやり取り回数の一日の最大値を引き上げられます。いかに朝からやり取りを始めるかは、会社員の副業として本当に大事です。

初案件のときは「朝8時頃には必ず何かしら送る」ということを意識的にやっていました。朝一のチャット通知の上位を狙って、最初に目に入れてもらうためです。

稼働時間は感覚ではなく、アプリで測っていました

自分が実際に何時間稼働しているかは、タイムクラウド(TimeCrowd)というアプリで集計していました。

どの作業に何時間かけたかが分かりますし、設定すれば時給換算して「この稼働の原価はいくらか」まで計算できます。

「時間がない」と言っている状態から抜けるには、まず自分の時間が今どこに消えているかを数字で見るのが早いです。

気づけば、会社の規定時間を半分以上の月で超えていました

正直に書きます。

集計してみると、むしろ半分以上の月は、会社の規定の時間を超えていました。

それでも私が続けられたのは、疲れたという感覚がなかったからです。稼働していたのは通勤時間中と、夜10時半に寝て早起きした朝の時間と、昼休み。つまり疲れがたまらない時間帯だけでした。睡眠時間は確保されたままです。

続けようと思えた理由は、自分のスキルアップや収益の効率性など、本業では得られない要素が非常に多かったから。

そしてもう一つ。だらだらしている時間を寄せ集めて稼働に当てているだけなので、自分としては「稼働をしている」というより、自分の持っている時間の価値や密度を高める行動だと捉えていたからです。

まとめ:副業する時間がないのではなく、時間は作りにいくもの

私が言いたいことは一つだけです。

時間は、余っているのを見つけるものではなく、作りにいくものです。

夜のスマホを切り捨てて朝に持ってくる。通勤で座れる場所を把握する。昼ご飯を10分で食べる。隙間では頭の中の作業をする。

どれも特別な才能はいりません。私は朝9時から夜6時まで出社している、普通の会社員でした。

もしあなたが「副業する時間がない」と思っているなら、まずは自分の一日のどこに密度の薄い時間があるかを書き出してみてください。

そこが、あなたの副業時間です。