開業届とインボイスは同時に出しました。「番号ある?」と聞かれ続けた副業会社員の私が、消費税まで払って家計を圧迫されるまでの体験談
「開業届を出すなら、インボイスも一緒に登録しないといけないの?」
「インボイスに登録すると消費税を払うことになるって聞くし、やめておいたほうが得なんじゃ……」
開業届のことを調べ始めたら、インボイスの話まで出てきて手が止まっていませんか。
私は2021年に、会社員のままShopifyの構築で副業を始めました。開業届を出したのは、それから1年ほど経った6月です。インボイスの登録も、そのとき一緒に出しました。
今回は、開業届を出す前にクライアントから番号を聞かれていた頃の話から、登録して実際に消費税を払うまでの体験をそのままお話しします。
制度の説明は最低限にとどめて、あとは綺麗事抜きの実体験です。
開業届を出す前から「インボイスの番号ある?」と聞かれていた頃
開業届を出すより前に、何度も番号を聞かれていました
クライアントから「インボイスの番号ある?」と聞かれることが多かったんです。
しかも、聞かれ始めたのは開業届を出すより前でした。まだ個人として動いていた頃から、何度か聞かれていたんです。
番号がないだけで、断られることはありませんでした
番号を持っていなかったことで、受注を断られたことはありません。
そのクライアント様とは信頼関係ができていたので、番号がないという理由だけで断られることはなかったんです。
それでも「番号は持っておいたほうがいい」と思った理由
ただ、それは信頼関係があったからこそです。
信頼関係があるクライアント様との関係を続ける意味でも、番号は持っておいたほうがいいと考えました。
それに、新しい案件で競合が何人もいたらどうなるか。
「インボイスのありなし」というところで、比べられてしまいます。
開業届を出したのは「自分が何者か」を示すためでした
そもそも開業届を出そうと決めた理由は、お客様からの信頼を得るためでした。
完全な個人として案件を取るより、屋号があって、適格請求書の発行にも対応していて、事業としてある程度の権威性があるほうがいい。
今は人のつながりだけで仕事が完結してしまう時代で、一度も顔を合わせないまま、案件が最後まで進むこともあります。
だからこそ、屋号を持ち、インボイスにも対応して、「自分が何者なのか」を公に示せることが大きいと考えました。
私にとってインボイスの登録は、開業届とセットで「素性を明らかにする」ための手続きだったんです。
開業届を出す時期と青色申告の始まりについては、開業届はいつ出す?いつまで?という体験談に書いています。
国税庁のページは文字が多すぎて、何をすればいいか分かりませんでした
とはいえ、手続きは最初の調べ物でつまずきました。
最初に国税庁のページを見たのですが、文字が多すぎて、何をすればいいのか分からない。
書類の項目も難しそうに見えて、正直、身構えていました。
そこで見つけたのが、会計ソフトのfreeeが出している記事です。分かりやすく書かれていて、freeeを契約すれば簡単に申請書を出せることも分かりました。
収入と経費の管理もしっかりしたかったので、そのままfreeeを契約して手続きすることにしました。
freeeで開業届をオンラインで出した手順は、開業届のオンライン提出は30分で終わりましたという体験談にまとめています。
開業届とインボイスを同時に出して分かったこと
開業届を出したらインボイスも必要? 私は「持っておきたい」から出しました
まず、制度の話を最低限だけ。
開業届を出したからといって、インボイスの登録が義務になるわけではありません。登録するかどうかは自分で決められます。
私の場合は、クライアントから番号を聞かれていたこと、そして競合と比べられたくなかったことから、「持っておきたい」と判断して登録しました。
必要かどうかというより、取引先との関係で持っておきたかった、というのが正直なところです。
開業届とインボイスは同時に出せる? freeeの同じ流れで出せました
インボイスの登録は、開業届と同じタイミングで出しました。
青色申告の承認申請も含めて、freeeの同じ流れの中で一緒に出せました。どれも特に難しい手続きはなく、画面の指示に従って入力するだけでした。
開業届の分も含めて、申請を始めてから提出し終わるまで30分くらいです。
やる前に身構えていたほど、難しくはありませんでした。
開業1年目でもインボイス番号はもらえる? 開業届と一緒に番号が発行されました
開業届と一緒に登録を出したので、インボイスの番号も発行されました。
開業1年目だから番号がもらえない、ということはありませんでした。
あとは、その番号を請求書に書くだけ。
それだけで、以前から番号を聞いてきていたクライアントの要望に応えられました。何度も聞かれていたので、すぐに対応できて良かったです。
番号を請求書に載せても、クライアントの反応は何も変わりませんでした
番号を請求書に載せるようになってからも、クライアント側の反応は特に変わりませんでした。
何か追加で対応を求められることもありません。
相手からすれば、番号を見て「税金まわりの手続きはこの人のほうでやっているんだな」と思うくらいなのだと思います。
私がやっていることも、ただただ請求書にインボイスの番号を書いておくだけです。
個人事業主はインボイス登録したほうがいい? 私は持っておく派。ただし消費税を納めることになりました
私自身は、取引先との関係を考えると、番号は持っておいたほうがいいと考えています。
ただ、ここからは登録したことで背負ったものの話です。
適格請求書の発行に対応したので、免税事業者の基準は適用されませんでした。つまり、消費税を納める必要が出てきたんです。
消費税は10%なので、かなりの金額になります。
番号を持つメリットはありましたが、その代わりに納めるお金も出てきます。登録するかどうか迷っている方は、この部分まで含めて考えてほしいです。
消費税は「二割特例」で少し抑えられました。知ったのはfreeeの画面です
救いだったのは、インボイス制度が始まってしばらくは「二割特例」という特例があったことです。
納める消費税を、預かった消費税額の2割(売上に対しては約2%)にできました。おかげで、少し金額を抑えられました。
この特例を知ったのは、freeeの画面です。
それまでは知らず、国税庁のホームページをよく見ると書いてある、という程度の認識でした。
期間限定の特例なので、これから登録する方は、自分が使えるかどうかを国税庁の最新の案内で確かめてください。
消費税の申告は所得税とは別。でも青色申告の次の画面で案内が出てきました
消費税の申告は、所得税の申告とは別に必要でした。
ただ、青色申告を終えた次の操作画面で、消費税の納付の案内が出てきました。
納付も、画面に出てくるQRからその場で払えます。
忘れそうだったので、案内が出たその場ですぐに払いました。
失敗談:消費税の分まで、納税資金を用意していませんでした
ここは、はっきり私の失敗です。
納税のためのお金を、特に準備していませんでした。貯金で賄えるだろうと思っていたんです。
ところが青色申告を終えると、所得税・住民税に加えて、消費税の納付も必要になりました。
一気に家計が圧迫されました。
どれも、あらかじめ予想がつく金額です。消費税の分まで含めて、何かしらの手段で備えておくべきだったと、今でも後悔しています。
収入が増えた年に税金の負担を抑えようとした話は、ふるさと納税と副業の記事にあります。
開業届とインボイスを出した後、単価は平均30万円ほどから60万円前後へ
最後に、開業届とインボイスを出した後の変化です。
屋号を持ち、インボイスにも対応して事業としての形を整えてから、案件の単価は平均30万円ほどから60万円前後、最大で100万円まで上がりました。
ただ、ほぼ同じ時期にフリーランスのコミュニティにも入っていて、そこで身につけたマインドセットも欠かせない要因でした。
なので、単価が上がったのはインボイスや屋号だけのおかげとは言えません。どちらも必要だったと思っています。
コミュニティに入った理由と、そこで身につけたマインドセットは、「副業コミュニティは入るべき?」の記事に書いています。
まとめ:開業届とインボイス、一緒に出すか迷ったら「取引先に番号を聞かれるか」で考えてみる
最後に、私の体験をまとめます。
- 開業届を出す前から、クライアントに「インボイスの番号ある?」と何度も聞かれていた
- 番号がないだけで断られることはなかったが、競合と比べられることを考えて登録を決めた
- 開業届・青色申告の承認申請・インボイス登録を、freeeで同時に出した(全部で30分くらい)
- 番号を請求書に載せても、クライアントの反応は何も変わらなかった
- 登録した代わりに消費税を納めることになり、二割特例で少し抑えられた
- 消費税の分まで納税資金を用意しておらず、家計が一気に圧迫された
開業届とインボイスを一緒に出すかどうかは、自分で決められます。
私の場合の決め手は、取引先から番号を聞かれていたことでした。
もしあなたが今迷っているなら、まずは「自分の取引先は番号を求めてくるか」を考えてみてください。
そして登録すると決めたら、消費税の分の納税資金も、最初から分けて備えておいてください。
これは、私が今でも後悔している点です。
