開業届はいつ出す?いつまで?副業を始めて1年後に出した私が、青色申告は「翌年から」だと知った体験談
「副業の収入が増えてきたけど、開業届っていつ出せばいいんだろう……」
「いつまでに出さないといけないの? もう遅かったりしない?」
そんなモヤモヤを抱えたまま、検索結果に並ぶ「1ヶ月以内」という言葉に焦っていませんか。
私は2021年に、会社員のままShopifyの構築で副業を始めました。開業届を出したのは、それから1年ほど経った6月です。
今回は、開業届を出す前の1年間にやっていたこと、出そうと決めた理由、そして出してから知った注意点や失敗まで、実際の体験をそのままお話しします。
制度の説明は国税庁の案内に沿って最低限にとどめて、あとは綺麗事抜きの実体験です。
開業届を出す前、副業1年目の私がやっていたこと
1年目は開業届を出さないまま、普通の確定申告をしていました
副業を始めて最初の1年は、開業届を出していませんでした。
その年の申告は、ごく普通の確定申告です。会社の給与に、副業の事業所得を加えて申告するだけでした。
「開業届を出していないと、副業の申告はできないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
でも私の場合は、開業届を出す前の年も、この形で申告を済ませていました。
3つ目の案件あたりで「年間20万円」を超えると分かりました
会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。私も、この年間20万円というラインは意識していました。
ところが、3つほど案件をこなした段階で、もうそのラインを超えることが確定。
なので、事前に申告について調べ始めていました。
口座とカードを最初から分けて、1年分を2〜3時間で申告しました
事業用の銀行口座と、経費用のクレジットカードは、副業をやろうと決めたそのタイミングから準備していました。
Xで副業をしている人たちのノウハウとして広く知られていたので、「後で面倒にならないように」と最初に分けておいたんです。
といっても、カードは新しく作ったわけではありません。もともと持っていたカードを、経費専用にしただけです。
申告のやり方は、都度記録するのではなく、1年分を一気にまとめて片付ける方式でした。
- 収入:事業用の銀行口座を会計ソフトのfreeeとAPI連携して、金額と日付を取り込む
- 支出:経費用のクレジットカードと連携して取り込む
手をつけてから終わるまで、2〜3時間ぐらいだったと思います。
いちばん分かりにくかったのは勘定科目。税理士には頼みませんでした
調べ始めていちばん困ったのは、経費の勘定科目や、事業所得をどの項目に書くべきかといったところでした。
国税庁のホームページを調べても、難しい言葉ばかり。税理士のホームページのブログでも紹介されていましたが、その情報が最新なのかが気になってしまって。
結局、freeeの「ここに何を入力する」という指示に従うだけで申告できたので、この悩みはなくなりました。
税理士に相談することは、考えていませんでした。
- そこまで大きな規模ではなかった
- 「Shopifyの構築業務」という事業内容を説明するのが面倒だと思った
会計ソフトでやってしまうほうが、安くて早いと感じたんです。
freeeの費用は年間約2万円、月額にすると約2,000円でした。確定申告の直前だけ契約する使い方もいいと思います。2月・3月だけなら5,000円未満で済みます。
開業届を出そうと決めた理由は「お客様からの信頼」でした
開業届を出そうと決めたきっかけは、お客様からの信頼を得るためでした。
完全な個人として案件を取るよりも、屋号があって、適格請求書の発行にも対応していて、事業としてある程度の権威性があるほうがいい。そう感じていたんです。
今は人のつながりだけで仕事が完結してしまう時代で、一度も顔を合わせないまま、案件が最後まで進むこともあります。
だからこそ、開業届を出して屋号を持ち、「自分が何者なのか」を公に示せることが大きいと考えました。
屋号をどんな条件で絞り込んだかは、「屋号の決め方」の記事にまとめています。
開業届はいつ出す?いつまで? 私の答えと、出してから分かったこと
開業届はいつまでに出す? 今の国税庁の案内は「その年分の確定申告期限まで」
まず、制度の話を最低限だけ。
開業届は、以前は「事業を始めてから1ヶ月以内」に出すものとされていました。今でも、この説明のままの記事はよく見かけます。
ただ、現在の国税庁の案内では、提出期限は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください」となっています。確定申告期限は、通常は翌年の3月15日です(土・日曜日・祝日等に当たる場合は、その翌日)。
私が開業届を出したのは、この見直しより前のことです。どの開業日からこの期限になるのかといった細かい条件も含めて、これから出す方は、必ず国税庁の最新の案内で自分の場合の期限を確かめてください。
開業届はいつ出す? 私は「副業を始めて1年ほど経った6月」でした
私が開業届を出したのは、副業を始めて1年ほど経った6月です。
きっかけは、先ほどお話しした「お客様からの信頼を得たい」という理由です。
手続きは、会計ソフトのfreeeで行いました。画面の指示に従って入力するだけで、簡単に作成して提出できました。
ちなみに申告も、すべてe-Taxで完結していたので、紙の書類を出すことはしませんでした。
開業届をオンラインで出した手順は、開業届のオンライン提出は30分で終わりましたという体験談にまとめています。
開業届と青色申告承認申請書は同時に出せる? 私は同時に出しました。ただし…
開業届と同時に、青色申告の承認申請も出しました。
ただ、ここに一つ注意があります。
私は6月に開業届と一緒に申請を出したのですが、その年は青色申告が適用されず、翌年度からの適用になりました。
このズレに気づいたのは、国税庁のホームページを見たときです。
とはいえ制度の話なので、自分の力ではどうにもなりません。特に何をするでもなく、そのまま申請しました。
国税庁の案内では、青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、事業を始めた日から2ヶ月以内)とされています。
「開業届と一緒に出せば、その年から青色申告になる」とは限りません。これから出す方は、自分の場合はいつから適用になるのかを、出す前に確かめておくと安心です。
屋号付きのホームページで「あなただけ際立っていた」と言われました
開業届を出して屋号を持ってからは、屋号付きの事業用ホームページを構えて営業していました。
ホームページに載せていたのは、主にこの3つです。
- 過去の実績(株式会社など、法人のお客様の実績も掲載)
- Shopifyのコーディングについて、よくある要望の実現方法を書いた技術ブログ(あえて4本だけ)
- お客様からいただいたレビューやお礼の言葉
技術ブログを4本で止めたのは、ファーストビューのカードが埋まる程度で十分だと考えたからです。過去の深い記事までわざわざ見られないと思ったので、すぐ目につくところだけをきれいに整えていました。
すると、複数の応募があった案件で、クライアント様から「あなただけ際立っていた」と言われたんです。
しかも、初回からその反応でした。やっぱり見栄や権威性は大事なんだと、身をもって実感しました。
営業を続けていると、上場企業の案件もお話としていただけるようになりました。
案件の単価も、平均30万円ほどだったのが、60万円前後、最大で100万円まで上がりました。
ただ、ほぼ同じ時期にフリーランスのコミュニティにも入っていて、そこで身につけたマインドセットも欠かせない要因でした。単価が上がったのは、屋号だけのおかげとは言えません。どちらも必要だったと思っています。
コミュニティで身につけたマインドセットの中身は、「副業コミュニティは入るべき?」の記事にまとめています。
青色申告で65万円控除。それでも還付金はゼロでした
そして翌年度から、青色申告に切り替えました。
青色申告といっても、会計ソフトを使うと何ら難しいことはなく、画面通りにぽちぽち進めるだけで完結しました。
e-Taxで申告していたので、控除は最大額の65万円を受けられました。デイトラなどのスクールの受講費用も、経費として計上できました。
それでも、戻ってきた還付金はありません。
Shopifyの構築は経費が少なく、利益率が非常に高いからです。会社であらかじめ納めていた所得税の分は、青色申告のときに相殺されていました。
ちなみに、会社の年末調整に影響したことは特にありません。会社の手続きとは完全に切り離して、自分自身で青色申告をしていました。
インボイスに対応していたので、消費税の納付も必要でした
信頼のために適格請求書の発行にも対応していたので、免税事業者の基準は適用されず、消費税を納める必要がありました。
消費税は10%なので、かなりの金額です。
ただ、インボイス制度が始まってしばらくは「二割特例」という特例があり、納める消費税を預かった消費税額の2割(売上に対しては約2%)にできました。おかげで、少し金額を抑えることができました。
この特例を知ったのは、freeeの画面です。それまでは知らず、国税庁のホームページをよく見ると書いてある、という程度の認識でした。期間限定の特例なので、これから対応する方は最新の条件を確かめてください。
消費税の申告は、所得税とは別の手続きです。ただ、青色申告を終えた次の画面で、消費税の納付の案内が出てきました。
インボイスの登録と消費税の納付の話は、開業届とインボイスは同時に出しましたという体験談に詳しく書いています。
失敗談:納税資金を用意していなかったせいで、家計が一気に圧迫されました
ここは、はっきり私の失敗です。
納税のためのお金を、特に準備していませんでした。貯金で賄えるだろうと思っていたんです。
ところが青色申告を終えると、所得税・住民税に加えて消費税の納付も必要になり、一気に家計が圧迫されました。
払い方は、どれもQRでした。
- 消費税:画面に納付用のQRが出てくるので、忘れないようにその場で払った
- 所得税:QRで払った
- 住民税:6月頃に届く書類のQRから払った
住民税は、会社に副業の金額を知られないように、自分で納める普通徴収にしていました。届いた書類に納付書が付いていれば、普通徴収になっていると確かめられます。特別徴収なら会社の給与から天引きされるので、納付書は無いはずです。
どの税金も、あらかじめ予想がつく金額です。何かしらの手段で備えておくべきだったと、今でも後悔しています。
副業の収入が増えた年のふるさと納税の上限は、ふるさと納税と副業の記事で紹介しています。
まとめ:開業届はいつ出す? 期限を確かめたら、次は「何のために出すか」を考えてみる
最後に、私の体験をまとめます。
- 副業1年目は開業届を出さず、通常の確定申告をしていた
- 副業を始めて1年ほど経った6月に、お客様からの信頼のために開業届を出した
- 青色申告の承認申請も同時に出したが、適用は翌年度からだった
- 屋号付きのホームページで「あなただけ際立っていた」と言われた
- 納税資金を用意しておらず、所得税・住民税・消費税で家計が一気に圧迫された
開業届をいつまでに出すかは、制度で決まっています。まずは国税庁の案内で、自分の場合の期限を確かめてください。
そのうえで「いつ出すか」は、私の場合、お客様に「自分が何者か」を示したくなった時でした。
もしあなたが今、開業届をいつ出すかで迷っているなら、期限を確かめるのと一緒に、「青色申告はいつから適用になるか」と「納税のお金をどう備えるか」も確かめておいてください。
特に納税のお金の準備は、私が今でも後悔している点です。
