「副業の報酬、給与と同じ口座に振り込んでもらって大丈夫かな……」

「わざわざ副業用の口座を作るほどのことなんだろうか」

副業を始めたばかりの頃、そんなふうに考えて、口座のことを後回しにしていませんか。

私は会社員のまま、Shopifyの構築を副業にしてきました。最初のうちは、副業の報酬を、会社の給与が振り込まれるメインの口座にそのまま入れていました。

この記事では、口座を分けないまま迎えた1年目の確定申告で何が面倒だったのか、そして口座を分けてから何が変わったのかを書きます。

綺麗事抜きで、手作業で苦労した泥臭い話からお話しします。

副業の口座を分けずに、給与口座に混ぜていた頃

副業の報酬は、給与が入るメインの口座に振り込んでもらっていた

副業を始めた最初のうちは、会社の給与が振り込まれている生活用のメインの口座に、副業の収入も振り込んでいました。

そのため、給与も、副業の報酬も、生活費の支払いも、全部の収入と支出がごちゃ混ぜになっている状態でした。

生活費と混ぜてしまっていたので、管理は少し面倒でした。

面倒だった場面は、確定申告のときです。

1年目の確定申告は、1年分の取引をCSVで出すところから

1年目の確定申告では、まず生活用の口座から、1年間の取引すべてをCSVで出力しました。

そのCSVに、スプレッドシートでフィルターをかけたりして、副業に関係するものだけを抽出していきました。

これが、とても面倒でした。

1年分の銀行取引の履歴を全部振り返って、副業による収入を見つけ出す。

口座を混ぜていたせいで、確定申告がそこから始まっていました。

収入は「振込名義」に取引先の名前があるかで見分けた

副業の収入は、振込名義のところに、クラウドソーシングのサービスや、個別のクライアント様の名前があるかどうかで区別していました。

ただ、このやり方だと抜け漏れも起きそうで、不安が残りました。

経費は、Amazonの購入履歴まで見に行って照合した

支出のほうも手間がかかりました。

経費としてAmazonなどで購入したものがあると、Amazonの購入履歴まで見に行って、金額と日にちを照合しないといけません。

「これで、完全に抜け漏れなく申告できるんだろうか」

作業をしながら、そんな不安が出てきました。

明細の「会社名」が分からず、チャットアプリ代を入れ忘れた

実際に、抜け漏れは起きてしまいました。

クレジットカードの明細から、経費を入れ忘れてしまったんです。

原因は、明細に載っていた利用先の名前でした。ふだん使っているサービスの名前ではなく、会社名で載っていたんです。

名前が一致しなかったので、どのサービスの請求なのか結び付かず、経費に入れ忘れてしまいました。

あとからよくよく見てみると、そのよく分からない会社名の請求は、毎月発生していました。

「何だろう」と思って、会社名をGoogleで検索してみたら、いつも使っているチャットアプリの請求でした。

気づいたのは、もう確定申告が終わった後です。私はそのまま諦めました。

制度としては、申告したあとで「納める税金が多過ぎた」と分かった場合は、更正の請求書を税務署長に出して訂正を求めることができます。期間は原則として法定申告期限から5年以内で、国税庁の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で作って e-Tax で送ることもできます。ただし、経費が増えても最終的な税額が変わらない場合は、請求できません。(参考:国税庁|No.2026 確定申告を間違えたとき)

私は諦めてしまいましたが、同じように申告のあとで入れ忘れに気づいた人は、まずこのページを確かめてみてください。

拾った数字は、e-Taxの画面に手で入力した

スプレッドシートで整えた数字は、e-Taxの画面上に入力していきました。

1年目は、会計ソフトはまだ使っていませんでした。

口座を分けていなかったことで、私の確定申告は「1年分の取引の中から、副業の分を探す作業」になっていたんです。

副業の口座を分けて、確定申告をラクにした具体策

個人事業主は口座を分けるべきですか?

私の経験では、分けてからのほうが確定申告は楽でした。

生活費と混ぜていた頃は、1年分の取引を全部振り返って、副業の分を拾い出すところから始める必要がありました。

口座を分けて会計ソフトとつないでからは、事業用の口座から、収入の金額と日付をそのまま取り込めるようになりました。

ここからは、私がどの順番で口座を分けて、何が変わったのかを書きます。

口座を分けたのは、開業届を出して屋号を作ったあと

事業用の口座を作ったのは、開業届を出して屋号を作った後です。

開業届を出したのは、副業を始めて1年ほど経った頃でした。つまり最初の1年ほどは、生活用の口座に混ぜたままだったことになります。

開業届をいつ出したのか、青色申告が「翌年から」だった話は、こちらの記事に書いています。

屋号付きの名義にしたのは「取引相手も管理しやすい」から

口座は、屋号付きの名義で開きました。決めた屋号を、開業届のほかで最初に使ったのが、この口座です。

屋号付きにしたのは、銀行口座に屋号がついていると、取引相手も管理しやすく、信頼感が出ると考えたからです。

屋号そのものをどんな条件で決めたかは、「屋号の決め方」の記事に書いています。

屋号付きで開ける銀行を探して、PayPay銀行で開いた

手間取ったのは、銀行選びでした。

私が探したときは、屋号付きで口座を開設できる銀行が限られていて、屋号付きで作れるかどうかで探して、比べるところに時間がかかりました。

結果的に、PayPay銀行で開設しました。

手続きは全部オンラインで完結して、申し込みから口座開設までは2営業日だけ。口座ができるまでの時間が非常に短く、手続きもとても簡単だった印象です。

仕様としては、PayPay銀行の公式サイトによると、個人事業主(屋号付き)の口座は来店不要で、Webから3ステップ(メールアドレスの確認と申込フォームの入力、書類のアップロード、キャッシュカードのお届け)で開設でき、最短当日で開設できるとされています。必要な書類は、公式サイトの「必要書類」のページで案内されています。(参考:PayPay銀行|最短当日口座開設! 個人事業主(屋号付き))

2回目の確定申告からは、会計ソフトに任せた

副業を始めて2回目の確定申告のときには、会計ソフトを使い始めていました。

理由はシンプルで、1年目の手作業が大変だった記憶があったからです。あの大変な作業を、繰り返したくありませんでした。

会計ソフトでは、請求先や引き落とし先の名前で「これは何か」を一度登録しておくと、次からは自動で拾ってくれます。

チャットアプリ代のような入れ忘れのミスは、ソフトを入れてから無くなりました。

事業用の口座とカードを freee につないで、1年分を一気に取り込む

開業届を出すときに契約した会計ソフトの freee では、収入は事業用の銀行口座とAPI連携して、金額と日付を取り込んでいました。支出は、経費用のクレジットカードと連携して取り込んでいました。

やり方は、収入や経費をその都度記録するのではなく、1年分を一気にまとめて取り込む方式です。

この方式での申告は、手をつけてから終わるまで2、3時間ぐらいだったと思います。

仕様としては、freee会計の公式ヘルプによると、インターネットバンキングやWeb明細サービスなどと連携して、銀行口座の入出金履歴やクレジットカードの利用履歴を取り込むことができ、これを「同期」と呼んでいます。また、「こういう内容の明細には、このような取引を登録する」というルールを作っておくと、取引の登録を自動化したり、入力内容を推測させたりできます。これが「自動登録ルール」です。(参考:freee ヘルプセンター|1.6 口座連携(同期)の設定、freee ヘルプセンター|明細の自動登録ルールを設定する)

開業届を freee でオンライン提出したときの話は、こちらの記事に書いています。

まとめ:副業の口座を分けるか迷ったら、1年後の確定申告を思い浮かべてみる

私は、副業の報酬を給与口座に混ぜたまま、1年目の確定申告を迎えました。

1年分の取引をCSVで出して、スプレッドシートで副業の分を拾い、Amazonの購入履歴と照らし合わせ、それでも明細の会社名が分からずに経費を入れ忘れました。

口座を分けたのは、開業届を出して屋号を作ったあとです。そこから会計ソフトにつないで、確定申告は1年分を一気に取り込む作業に変わりました。

「副業用の口座を作るほどのことなのかな」と迷っているなら、1年後の確定申告で、1年分の取引の中から副業の分を探している自分を想像してみてください。

私は一度その作業をやって、「もう繰り返したくない」と思いました。